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こころ温まるお話「おばあちゃんの料理教室」

       

今日も孫のみすずが遊びに来ている。
私の家が高校から近いこともあるが、何より私の料理が好きだからと言ってよく遊びに来てくれるのだ。
里芋を頬張る姿に、思わず顔が緩むと同時に、ふと心配になる。
みすずは昔から料理が苦手で、『自分は食べる専門』と言い張ってきかない。

「女の子なんだから、みすずもこういうお料理ができるようになった方がいいんじゃない?」

「いいの!また遊びに来るね。ごちそうさま」

そう言って、みすずは逃げるように帰っていった。
良き妻になるために、なんて話はまだ早いのかもしれないが、老婆心ながら孫の将来を案じてしまう。
そんなやりとりから数日経った日曜日、呼び鈴が鳴って玄関へ出ると、みすずが立っていた。

「今日は友達も連れてきたの」

みすずがお友達と紹介してくれた子は「たくとです」と言って礼儀正しく頭を下げた。

「あのね、やっぱりおばあちゃんにお料理教えてほしいと思って。いいかな?」

「あら、もちろんよ。さ、あがってあがって」

さっそく肉じゃがの作り方を教えようとエプロンを取りに行く。
すると後ろから「あ!おばあちゃん、たくとの分もある?」と尋ねられた。
てっきり恋人に手料理を振る舞うために呼んだのかと思いきや、私が料理上手だと聞いて、たくと君の方から二人で習いたいと言ってくれたらしい。

おぼつかない手つきのみすずをそっと手助けするたくと君。
そんな二人の姿を見て、ハッとした。
『女だから』『男だから』と役割を決めつける、そんな考え方は古いのかもしれない。
互いに助けあって生きていければ、それほど幸せなことはないのだと。

料理を教えるつもりが、私の方こそ二人に教えてもらったみたい。

「みすず、ありがとうね」

私がこっそりお礼を言うと、みすずはきょとんとして、それから「お礼を言うのは私の方だよ!いつもありがとね。私もちょっとは料理作れるように頑張る」と屈託なく笑った。

     

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