院長ブログです
就職してから、しばらく経った。 最初の頃は週末になると実家に顔を出していたが、いつの間にか足が遠のいていた。母から「元気?」と連絡が来ても、「大丈夫」「忙しいから」と、そっけない返事をすることも増えていた。 もう大人なのだから構わないでほしい、そんなふうに思っていた。 ある日のこと、仕事で大きな失敗をした。電車に乗っても誰もいない部屋に帰る気になれず、気づけば実家の前に立っていた。 ...
こんにちは。院長の山岡です。 8月に入り、にぎやかなセミの鳴き声に夏本番を感じる頃となりました。この時期になると、夏休みやお盆休みで、生活リズムが一気に乱れてしまったという方も多いのではないでしょうか。朝寝坊に夜更かし、時間を気にしない食事や間食…。大人もついダラダラ過ごしてしまうのは、この時期ならではの風物詩かもしれません。 しかし、こうした食習慣や生活リズムの乱れが...
文化祭の劇で、私は大道具係だったが、同じ係の長谷川くんのことをあまり頼りにしていなかった。 声は小さいし、目立たない。練習中はずっと何かをメモしている。椅子の位置、暗転の長さ、小道具を渡す順番。 メモ帳の端までぎっしりで、私はそんなに細かいから動きが鈍いんじゃないのと思っていた。 でも長谷川くんはいつも一番早くに来ていた。 床の目印がはがれていれば貼り直し、置き場を間違えた道具があれば...
こんにちは。院長の山岡です。 7月といえば七夕。 短冊に願いを書いて笹に飾るこの風習は、もともと裁縫や機織り(はたおり)の上達を願ったのが始まりといわれています。 「健康」を願う方も多いと思いますが、お口の健康も「食べる・話す・笑う」といった日々の幸せを支える大切な要素です。ぜひ、短冊にそんな願いも書き添えてみてください。 もちろん、願いを叶えるには日々の積み重ねも...
先生の説明は分かりやすい、と言われるたび、私は誇らしく感じていた。大学生の私は学習塾で講師のアルバイトをしている。生徒の質問には丁寧に答えるのが私のやり方だ。 ところが、ある日の小テストで異変が起きた。授業では解けていた問題を、生徒たちが次々と間違える。教わった時は分かったつもりだったんだけど…と俯く生徒を見て、私は焦った。説明が足りないのだと思い、次の授業ではさらに細かく解説した。...
こんにちは。院長の山岡です。 6月16日は「和菓子の日」。平安時代に仁明(にんみょう)天皇が疫病除けを願って、縁起が良いとされる「16」にちなんだお菓子を供えたのが始まりで、さらに江戸時代には16文で16個のお菓子を買って食べる習わしが庶民にも広がりました。健康を願って甘いものを食べるというのはどこか新鮮に感じられますね。 ですが、和菓子をはじめとする甘いものは、現代で...
経理の仕事を10年以上続けてきた。数字は嘘をつかない。だからこそ、ミスがあってはならないと、同僚の小さなミスにもつい口を出してしまう。指摘の回数が増えるほど、周りとの会話がぎこちなくなっていくのを感じていた。 そんなある日、気分転換のつもりで木工教室に参加した。 けれど、木工教室では仕事以上に苦戦した。木目のくせ、乾き具合、釘の通り道。毎回違い、毎回思い描いたようにならない。しかし、隣...
こんにちは。院長の山岡です。 5月16日は、松尾芭蕉が『奥の細道』へ旅立ったことにちなむ「旅の日」です。 新緑がきれいなこの季節、電車なら一瞬で通り過ぎる一駅分をあえて歩いてみると、知らなかったパン屋さんや昔ながらの文房具店、小さな神社や季節の花壇などに出会い、いつもの街が少しだけ旅先のように感じられます。 旅先では写真や会話など、笑顔の瞬間が増えますが、歯の不がある...
4月の朝。 駅前の定食屋は、通勤前の客でにぎわっていた。しかし、ここ数年いつもカウンターに座っていた常連たちの姿が、少しずつ減っている。 息子夫婦に店を継ぐ気はなく、もう潮時かなと思うこともある。けれど、暖簾を下ろしてしまえば、毎日のリズムも一緒に消えてしまいそうで。 なんとなく、今日も魚を焼く。 そんなある日の開店準備中、窓の外に子どもの顔がぴょこんと現れた。近くの小学生がランドセル...
こんにちは。院長の山岡です。 春の足音が近づき、過ごしやすい季節になってきました。この時期を代表する花といえば桜。その品種はなんと600種以上もあるそうですが、日本に自生した11種から交配していったそうです。 今年は桜を見かけたらその色合いや咲き方の違いなどに目を向けてみてはいかがでしょうか。 さて、桜の違いだけでなく、お口の中の小さな変化にも目を向けてみることが大切...