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こころ温まるお話「トマトのおばあちゃん」

       

私の家はトマト農家だ。
畑の隅にはふぞろいのトマトなどを安く提供している「無人販売所」があり、高齢になる母はしょっちゅう足を運んでいる。

「無人販売所だから店番はいいよ」と伝えても、通うことが習慣になっていた。
そもそも大した儲けにもなっていないし、「なくしてしまおうか」という話も以前出たが、「まだやめるつもりはないよ」と一向に聞く耳すら持たない。

あるとき、母が風邪で体調を崩し、しばらく店番を休んでいた。
代わりにトマトを持っていくと、手紙が置かれているのを見つけた。
手紙の内容は、『おりがみおしえてくれてありがとう。
ぼくのおじいちゃんがすごくよろこんでくれたよ。トマトのおばあちゃんにまたおれいをいいにきます。』と、このように書かれていた。
この手紙を見て、母が店番に通うのは、そこが母と子供たちとの交流の場となっているからなのだと初めて知った。

その翌日、無人販売所で手紙を書いた男の子と偶然出会い、母が体調を崩して休んでいる事と手紙の話をした。
男の子は私の母に折り鶴の作り方を教えてもらい、入院している自分のおじいちゃんのためにたくさんの折り鶴を作ったそうで、教えてくれたお礼を言いたくて手紙を書いたらしい。

翌朝、男の子が私の家を訪ねてきた。
「トマトのおばあちゃんが心配になったので、鶴を折って持って来ました」と言って、たくさんの折り鶴を持ってきてくれた。
男の子は「僕のおじいちゃんはこの折り鶴でとても元気になったから、これをトマトのおばあちゃんにもあげてください」と言って折り鶴をくれた。

「母の楽しみを奪うことはできないな」と温かな気持ちになった私は、無人販売所に子供用の小さな椅子と、母がいない時に手紙を入れられるポストを設置してあげた。
こうして、我が家の販売所は無人ではなくなった。その代わりに母と子供たちの笑顔で溢れている。

     

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