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こころ温まるお話「娘がくれた花マル」

       

「いってらっしゃい」

「杏奈も気をつけてね!鍵忘れちゃ駄目だよ!」

今日も慌ただしく、娘より先に家を出る。
娘の杏奈が中学生になり、家の都合から私は仕事を始めた。
以前は娘の宿題も見てあげることもできたのに、慣れない仕事で残業が続いて家で過ごす時間も少ない。
娘が私の描いた花マルを喜んでいた姿が、もう遠い昔のように感じる。
毎朝娘の寂しそうな顔を見ては「今日こそはご飯を作ってあげよう」と気合を入れるが、結局いつも出来合いのお弁当を買って帰る日々だ。

今日も何か買って帰らなくてはと思い、残業を始める前に『今日のお弁当は何がいい?』とLINEを送る。
帰る頃に確認すると、娘からは『あるから大丈夫だよ』と返事が来ていた。
たまりかねて自分で用意したのだろう。ごめんね、と思わずため息が出てしまう。

娘が要らないなら、今日は家にあるものを適当に食べて済ませてしまおう。
そう思いながら帰宅し玄関のドアを開けると、娘が「おかえり!手を洗ったらリビング来てね」と出迎えてくれた。

いつもと少し違う様子に、一体どうしたのだろう、と思いながらリビングに行くと、そこには手作りの料理が。

「卵やぶけちゃったけど」と言いながら娘がテーブルに並べているのは、確かに不格好なオムライス。
娘は料理が苦手なのに、付け合わせまでしっかりと盛り付けられていて一生懸命作ってくれたことがひと目で分かった。

「いつもお仕事がんばってくれてありがとう。私も中学生になったし、これからはいつでも任せてよ!」

そういって、娘はオムライスにケチャップで花マルを描いてくれた。

「ありがとう」嬉しさから、簡単な言葉しか出てこなかったが、その様子を見た娘は「でも、今度料理教えてね」と少し恥ずかしそうにはにかんだ。

その週末の朝、起きてきた娘に「一緒にオムライス、作らない?」と声をかける。

「いいよ」と答える娘に、私は卵の焼き方を教えた。

娘は綺麗に焼き上がった卵をご飯の上に盛り付けて、満足そうにオムライスを眺める。

「すごい!やぶけなかったよ!」喜んでいる娘のオムライスに、今度は私がケチャップで大きな花マルを描いた。

     

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