院長Blog

院長ブログです

こころ温まるお話「コインランドリーにて」

この春、私は新社会人になった。いわゆる地方の出身で、就職を機に今はアパートで一人暮らしをしている。
社会人生活は思っていたよりもずっと大変で、仕事が終わると毎日くたくた。
家事をする余裕もなくて、部屋は散らかり放題だし、ご飯もコンビニ弁当ばかり。
洗濯はコインランドリーで週末にまとめてしていて、新生活ってもっとこう、キラキラとしたものを想像していた。休日にランドリーでひとり、スマホをいじっていると寂しくて、地元に帰りたいなあ、なんて思ってしまう。

そのランドリーで、生活リズムが同じなのか毎回のように遭遇する人がいる。
ラテン系の女性でカラフルな洋服とアクセサリーを身にまとい、イヤホンをして陽気に肩を揺らしている。異国の地で楽しく暮らせていて、海外の女性は悩みなんかないんだろうなぁと羨ましく思っていた。

つい先週のこと。仕事で大きなミスをした私はいつも以上に気が塞いでいた。
ランドリーで出来上がりを待ってるとつい考え込んでしまう。もう全部放り出して実家に帰ってしまおうかなんて本気で思っていると、涙がぽろりと零れ落ちた。その時、どうしたの?と声をかけられ、驚いて振り向くと例の陽気なお姉さんが心配そうに私を見つめていた。
なんでもないです、と言おうとしたら何故かますます涙が溢れてしまって、気がつくと話を聞いてもらっていた。

「わたしも、同じ。」
意外な言葉に顔を上げると陽気な彼女が瞳を潤ませていて、私は驚いた。聞けば彼女は日本で外国語講師をしているそうだ。
慣れない日常に悩み、振り回されながら、日々故郷を想い過ごしているという。寂しいこと、悲しいこと、いっぱい。ふるさと、帰りたいよ、と言いつつも彼女はいつもの陽気な笑顔に戻り、でもね、と続けた。「笑顔、忘れちゃダメ!」

ピーッとアラームが鳴り、洗濯が終わったようだった。悩みなんかないんだろう、なんて思っていた自分が恥ずかしくて、心の中でこっそり謝った。彼女の真似をして、ニッコリと口角を上げると、いろんなものがキレイに洗い流されたような気がした。

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