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こころ温まるお話「祖母の柿」

       

秋は私にとって、憂鬱な季節だ。
なぜなら、祖母がたくさん柿を送ってくるから。

子どもの頃は柿が好きだったけれど、大人になるにつれ飽きてしまった。
特に一人暮らしを始めてからは全部食べ切れず、腐らせてしまうことも珍しくは無かった。
だから、柿が届く季節になると少々気が重くなるのだ。

ある年の秋。
祖母から、「今年は柿を送れないかも…」と連絡がきた。
どうやら、怪我をしてしまったらしい。

柿の木は、毎年大量の実をつける。
そのままにしておくのは忍びないという両親の想いもあり、あまり気乗りはしなかったが、今年は家族総出で収穫を手伝うことになった。

週末、私たちを出迎えたのは杖をついた祖母だった。杖をついているとはいえ、思いのほか表情は明るい。

「みんなに迷惑かけちゃったねえ」と言いつつ、なんだか少し嬉しそうだ。

「おばあちゃんだってもういい歳なんだから、あんまり無理しないでね」

私がそう言うと、「でもミナちゃん柿が大好きでしょ」と返された。
思いもよらなかった事を言われて困惑していると、祖母は懐かしそうに話を続けた。

「ミナちゃんがちっちゃかった頃、お皿いっぱいの柿を1人でぜ~んぶ平らげたのよ」

私はもう覚えていない。でも、もしかしたらそんなこともあったかもしれない。
祖母は私を喜ばせたい一心で、脚立を使った危険な作業を続けてきたという。
だけど、今年は収穫中に脚立から足を踏み外してしまったというわけだった。
そんな苦労も知らず、毎年のように届く柿を迷惑がっていただなんて…。

ふと、心が痛くなった。

収穫が終わり家族みんなで夕ご飯を囲んでいるとき、祖母は「今年は賑やかだねぇ!」と、満面の笑みを浮かべながら喜んでくれた。

「来年もまた、みんなで柿を収穫しようね!」

私が思わずそう言うと、食卓は一段と明るい笑みに包まれていた。

     

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