山岡歯科医院新聞です
歯医者さんでだれでも一度は経験する「歯の型取り」,
実は、その材料には私たちの身近なものと同じ原料が使われています。
歯型をとるとき、お口に入れる粘土のような、なんとも不思議な感触の材料は正式名を「アルギン酸印象材(アルジネート印象材)」といいます。実はかまぼこに使われるのと同じ「アルギン酸」という海藻から抽出した天然成分が主成分となっています。
アルギン酸印象材は手軽で使いやすい一方で、より精密な型をとりたいときは物足りないことも。そこで登場するのが「寒天印象材」です。型をとるときに「温かい」と感じるのは、熱で溶かした寒天が流し込まれるためです。アルギン酸印象材と寒天印象材を組み合わせることで、歯型取りの精度が格段にアップします。
近年はアルギン酸印象材や寒天印象材を使わなくても、写真を撮る感覚で歯型をとる技術も誕生しています。これは「光学印象」と呼ばれる手法で、特殊なカメラでお口の中をスキャンし、それを3Dデータにして保存することができます。光学印象は非常に精度が高く、さらに不快感も少ないことから、今後ますます普及していくと言われています。